車で北海道一周をしてみたが、思い出深い旅だった。

未分類

 函館をスタートしがまだ高速がない時代で、所々が砂利道だった。

洞爺湖や登別は何度も行っていたので素通りした。しかしまだ高速ができる前で、いわゆる下っ走りである。難所の日勝峠が最短なので通り、ようやく帯広の街に入った。当初は帯広に1泊する予定だったが、幕別温泉まで足を伸ばした。帯広から車で約30分で行けた。この幕別温泉に泊まった理由は温泉があったのと、国民宿舎だったのが大きな理由で、料金の安さに魅了されたのが動機だ。幕別温泉の後は予定は全然立てていなかったので、これから4泊になるのか、5泊になるのか未定だった。そんな理由で金は余り使いたくなく国民宿舎に泊まった。しかも初めての国民宿舎であった。宿舎に入る前に池田町のワイン城に行って「十勝牛のステーキ」を喰った。十勝牛は実に柔らかくて美味かった。確か3500円くらいだったと思う。ワインも呑みたかったが、車なのと金銭的な問題でワインは見送った。しかしワイン城は西洋の城を彷彿させる造りでメルヘンに思えた。

 モール泉は表面に油が微かに浮かんで少し油臭かった

夕方、5時くらいだと思うが、ともかく国民宿舎に着いた。しかし宿舎に到着して初めて知ったことがある。それは国民宿舎でも民間の国民宿舎だった。建物はお世辞にも上等とは云えない造りで、メシはそこらの旅館に見られるお決まりコースで、味も品数もまあまあでそれなりだった。温泉は十勝川温泉と同じモール泉で、太古の昔に地下へと沈み堆積した植物が層となり、その堆積植物層を熱水が通って湧出した、世界的にも珍しい温泉。温泉の表面には微かに油が浮かんでいた。少し油臭い匂いがしていたのを覚えているが、北海道遺産に指定されている湯である。温泉の開湯は昭和50年(1975年)で、記憶はかなり薄れているが、温泉はそこそこだったと思える。もしも悪ければ、悪かった記憶が残っているはずだ。

 初めて泊まった国民宿舎は蒸し暑く、忘れられない。 

この宿舎は高台に位置しており、十勝平野と帯広市街を一望でき、夜景が綺麗だった。そこそこ満足して翌日は旅立てると思った。しかしそうさせてくれなかった。布団に入って寝ようとしたが、眠られない。蒸し暑い。6月の北海道は、夜はまだ寒さを感じる時期なのに、何故蒸し暑いのだ。よくよく考えてみたら暑いのが判明した。自分が泊らされた部屋は、丁度温泉の真上に位置していた。これでは蒸し暑いは当然だ。早速、フロントに部屋をチェンジして欲しいと懇願したが、生憎満室で替わりの部屋はなかった。とにかく暑くて眠られない。翌朝は寝不足で幕別温泉を後にした。初めて泊まった国民宿舎がこんな状態だったので、それ以降国民宿舎は懲りて2度と泊まろうと気にはならない。

タイトルとURLをコピーしました